いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる「2025年問題」を間近に控えているなか、介護業界では以前として人材不足に悩まされています。
そういったなか、厚生労働省が推進している取り組みに「科学的介護」というものがあります。
簡単に説明すると科学的介護とは、科学介護情報システム「LIFE」に介護記録のデータなどのデータを提出し、そうして蓄積されたデータを活用して介護を行うことです。
詳しくは科学的介護やLIFEについて説明しているサイトをご確認ください。
冒頭で述べたように、少子高齢化が進む現代において、介護業界の需要はますます増加する見通しとなっています。
この拡大していく需要に対応するために人材確保が急がれるが、確保した人材を介護の担い手として力を発揮してもらうためには、これまでの介護士個人の経験や直感に依った介護サービスの提供ではなく、科学的根拠に基づいた介護サービスの提供が必要不可欠です。
これまでの介護業界では、例えば医療業界のように様々な情報を共有して、業界内で科学的根拠を蓄積していくといった取り組みは積極的に行われていませんでした。
そのため医療業界では可能であった客観的に効果のある方法を実践できず、あくまで各事業所、各介護士の勘や経験によるケアを提供することしかできなかったのです。
しかし科学的介護を実践することで、業界内で科学的根拠を蓄積・共有できるようになり、ベテラン介護士でなくとも誰でも質の高い介護サービスを提供できるようになりました。
科学的介護の取り組みはまだ始まったばかりですが、データの蓄積が十分になされた将来には、科学的根拠に基づいた質の高い介護サービスを誰でも受けられるようになる未来が待っていると期待が高まっています。